学習面の所見は、観点別評価の3つの観点に対応させて書く
学習面の所見が書きにくい最大の理由は、テストの点数や成績評価と同じ情報をそのまま文章にしようとすることにあります。学習評価で用いられている「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」という3つの観点に対応させて書くと、評定(数値や記号)だけでは伝わらない、学習の過程や取り組み方の情報を自然に盛り込めます。この記事では、3つの観点それぞれで何に注目して書けばよいかを解説します。
この記事の内容
学習面の所見はなぜ書きにくいのか?
学習面の所見が書きにくい最大の理由は、評定(数値や記号)と同じ情報をそのまま文章化しようとすることにあります。評定は結果だけを表しますが、所見はそこに至る過程や取り組み方を伝えるための欄です。同じ情報を繰り返すだけでは、所見を書く意味が薄れ、言葉も浮かびにくくなります。
学習面の所見は何を基準に書けばよいか?
学習面の所見は、学習評価で用いられている「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」という3つの観点に対応させて書くと、評定との整合が取れた文章になります。この3観点は、文部科学省が示す学習評価・指導要録の枠組みで用いられているものです(出典:文部科学省「小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」)。
ただし、通知表の所見欄が観点ごとに分かれているかどうかは、学校・自治体の様式によって異なります。観点別の欄がない学校でも、所見に何を書くかを考えるときの整理の軸として、この3観点を使うことができます。
「知識・技能」に対応する所見はどう書く?
「知識・技能」に対応する所見では、学んだ内容を覚えているかだけでなく、覚えた知識や技能をほかの場面で使えているかに注目して書きます。「九九を覚えた」ではなく、「九九を使って買い物の場面の問題を解けるようになった」のように、活用している場面まで書くと、点数だけでは伝わらない情報になります。
「思考・判断・表現」に対応する所見はどう書く?
「思考・判断・表現」に対応する所見では、答えの正誤よりも、どう考えたか・どう説明したかという過程に注目して書きます。「図形の問題で、友達に説明しながら考え方を整理していた」のように、思考の道筋や表現の場面を具体的に書くと、この観点の評価内容と一致しやすくなります。
「主体的に学習に取り組む態度」に対応する所見はどう書く?
「主体的に学習に取り組む態度」に対応する所見では、結果ではなく、粘り強く取り組む様子や、自分の学び方を振り返り調整しようとする様子に注目して書きます。「難しい問題でも解き方を変えて挑戦し続けていた」のように、取り組む姿勢そのものを描写する書き方が、この観点に対応した所見になります。この観点に合う文末表現の選び方は、所見に使える言い回し・文末表現の選び方で詳しく解説しています。
教科ごとに書き分ける必要はあるか?
通知表の所見欄が教科横断で1つにまとまっている場合、3観点すべてを教科ごとに書き分ける必要は必ずしもありません。1学期分の観察記録の中から、その学期でとくに触れる価値がある観点を1〜2個選び、具体的な場面とあわせて書くほうが、まとまりのある文章になります。様式が教科別・観点別に分かれている学校では、それぞれの欄の指示に従ってください。
学習面の所見でよくある注意点は?
学習面の所見でよくある注意点は、テストの点数や順位をそのまま書いてしまうことと、他の児童と比較する表現を使ってしまうことの2つです。点数は評定欄ですでに示されているため所見で繰り返す必要はなく、比較表現は通知表という書類の性質上ふさわしくないと考えられています。
学期中の観察メモは、どう学習面の所見につながるのか?
学習面の所見を書くには、学期を通じた具体的な場面の記録が材料として必要です。センセイメモは、LINEで送った短い観察メモを学期中に蓄積し、学期末にその記録から所見の下書きを作る機能を備えています。メモを残す段階で「これは知識・技能の場面か、思考・判断・表現の場面か」を意識しておくと、学期末に3観点それぞれの材料を整理しやすくなります。
まとめ
- 学習面の所見は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に対応させて書くと、評定との整合が取れる
- 「知識・技能」は活用の様子、「思考・判断・表現」は考える過程、「主体的に学習に取り組む態度」は取り組む姿勢に注目する
- 観点別の欄がない通知表でも、書く内容を整理する軸として3観点を使える
- 点数の繰り返しや他の児童との比較表現は避ける
- 通知表の様式・観点の分け方は学校・自治体によって異なるため、勤務校の運用を確認する
よくある質問
通知表に観点別の欄がない場合、3観点を意識する意味はありますか?
あります。観点別の欄がなくても、所見に何を書くかを整理する軸として3観点を使うと、点数の繰り返しになりがちな所見に、過程や姿勢の情報を盛り込みやすくなります。
3観点すべてに必ず触れなければいけませんか?
必須ではありません。学期の観察記録の中で、とくに触れる価値がある観点を1〜2個選んで具体的に書くほうが、まとまりのある所見になります。様式に個別の指示がある学校ではその指示に従ってください。
テストの点数を所見に書いてもよいですか?
点数や順位そのものは評定欄で示されるため、所見で重ねて書く必要は基本的にありません。所見では、点数からは見えない取り組み方や過程を書くほうが情報として補完的です。